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FARO中目黒内のアートギャラリーfaro WORKPLACEで大山エンリコイサムの展示会「ACROSS」を開催中

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大山エンリコイサムFFIGURATI #184

インパクトある表現とクールな表情の作品、文化が交差するコンセプトで、独自の活動を展開している、大山エンリコイサムの作品の展示会を今春オープンしたfaro中目黒併設のギャラリーfaro WORKPLACEで開催中。

ギャラリーの空間を圧倒するように展示されるのは、横幅3.6mに及ぶ《FFIGURATI #184》。
「FFIGURATI フィグラティ」とは、「graffiti グラフィティ」という言葉とイタリア語の「figùra ti フィグーラティ」(直訳=自身を象れ)を合わせた大山による造語。ストリートアートに深い造詣を持つ一方で、名前をかくことで自己表現とするエアロゾル・ライティングの視覚言語から文字を排除し、線の動きや躍動感、空間性、造形的なエレメントだけを抽出して反復・再構成した「クイックターン・ストラクチャー」と名付けられた象徴的なモティーフがかかれています。迫力ある作品と合わせ、同モティーフによる緻密にかかれた親密な魅力をもつドローイングも展示。

国境をまたぐ生立ち、ニューヨークと東京を拠点にした制作環境を背景に、ストリート文化と現代美術を融合させた表現を作品に結実させ、メディアを超えた活動を続ける大山の創造性は、多国籍で様々な業種が集うfaroに通じて、交差が生む豊かさを示唆してくれるでしょう。

大山エンリコイサム

大山エンリコイサム
1983年 東京生まれ
2007年 慶應義塾大学 環境情報学部 卒業
2009年 東京芸術大学院 美術研究科 先端芸術表現専攻 修了
現在、ニューヨークと東京を拠点に活動。

イタリア人と日本人のもとに生まれ、幼少期より大都市東京と北イタリアの田舎を行き来する経験をもつ。高校2年生のときにイタリアへ留学。その前後の時期から、ニューヨークで生まれたストリートの表現文化「エアロゾル・ライティング」(注1)に関心を寄せ、東京に戻ったのち、線の反復と広がりによる白黒の立体パターンをかきはじめる。2000年代の中頃にはそのスタイルが明確になり、東京芸術大学で修士号を得た頃に「クイックターン・ストラクチャー」と命名。現代美術とストリート文化のボーダーで表現を開始する。エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したクイックターン・ストラクチャーを起点に、作品制作のみならずメディアを横断する表現活動を展開。とくに現代美術の領域で注目される。

主な個展/大和日英基金(ロンドン)、マリアンナ・キストラー・ビーチ美術館(カンザス)、ポーラ美術館(箱根)、藤沢市アートスペース(藤沢)、中村キース・ヘリング美術館(山梨)、タワー 49ギャラリー(ニューヨーク)、神奈川県民ホールギャラリー(神奈川)、慶應義塾ミュージアム・コモンズ(東京)

著書/『アゲインスト・リテラシー―グラフィティ文化論』(LIXIL出版)、『ストリートアートの素顔―ニューヨーク・ライティング文化』(青土社)、『ストリートの美術―トゥオンブリからバンクシーまで』(講談社選書メチエ)、『エアロゾルの意味論』(青土社)

企画監修/『美術手帖』2017年6月号エアロゾル・ライティング特集

コラボレーション/「コム デ ギャルソン 2012 S/S ホワイトドラマ」「シュウ ウエムラ ヴィジョン オブ ビューティー コレクション vol.02 オートストリート」「ジンズ原宿店」

(注1)「エアロゾル・ライティング」は、1960年代終わりから70年代初頭にかけてニューヨークのストリートで生まれた表現文化。グラフィティとも呼ばれる。「エアロゾル」はスプレー塗料を指す。「ライティング」は、同文化の表現が「名前をかく」行為であるため、「write」に由来する。コンセプチュアルな面の強調と、自身の歴史解釈の表明として、大山は同文化を「グラフィティ」ではなく「エアロゾル・ライティング」と呼んでいる。

Instagram:@enricoisamuoyama
X (Twitter):@enrico_i_oyama
portrait: Enrico Isamu Oyama in his Tokyo studio, 2022
Photo: ©︎Go Itami

大山エンリコイサム「ACROSS」
日時:2023年9月1日(金)〜9月23日(土)
開廊:11:00〜19:00 /休廊:日曜・月曜
会場:faro WORKPLACE Nakameguro
〒153-0042 東京都目黒区青葉台3-15-17 faro中目黒1F
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